総務庁調査の九九年度の勤労者僕帯の平均像を見ると、年間収入七八七万一〇〇〇円貯蓄額二二九二万七〇〇〇円純貯蓄額七五九万七〇〇〇円かなり高い水準に思えるかもしれないが、年収というのは手取りではない。手取額となれば、税金などで二割ほど引かれた水準になる。こうした数字がいわゆる一般的な勤労者世帯の生活水準で(むろん、地域によって差がある)、住宅公庫からローンを組んでいる人たちの平均像である。決して楽な水準ではない。四〇歳前後で子供が二人いるとなれば、教育費もばかにならないし、育ち盛りの子供の食費も結構な額になる。また、一戸建てはさまざまな経費がかかるし、マンションは管理費も月々の負担になる。どこもぎりぎりの収入でがんばっている。住宅公庫が廃止され、民営化されることで、こうした平均的な勤労者層の生活設計が狂う可能性があるということで、不安の声が上がるのも当然だろう。