空き家に引っ越してきても、布団さえあればすぐその晩から寝ることができるのは、床が畳敷きだからです。畳敷きということは、ベッドが家に造りこんであるわけです。ですが、万年床ならいざしらず、起きて布団をたためば収納するところが要ります。これが押し入れ。押し入れは布団以外の物も入れることができ、なにもかも入れて襖を閉めれば部屋はすっきり。つまりこれも、なんでも入れる収納部が家に造りこんであるということです。
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床の間というのはどうでしょう。これも家に造りこまれた飾り棚ということができます。雛祭りには床の間に雛壇を飾ります。もっているお宝が多すぎて、床の間に宝の山を築いている家もありますし、テレビをお飾り申し上げている家もあります。こう見てくると、日本の家のしつらえというのは家具なしで暮らせるように、家具的要素が巧妙に家に造りこまれているのだ、と見ることができます。