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景気要因および新規参入者という要因

最初に考えられる要因は、景気の停滞による若者の労働需要の悪化である。景気が悪くなれば、全体の雇用情勢が悪くなり、平均的な(全年齢層の)失業率が上昇する。ここで問題なのは、「若者は労働市場への新規参入者である」という事実である。若者の多くは、職場での経験もなく、職業能力・技能についての知識経験もない状態で労働市場に入っていく。先進諸国の労働市場では、すでに雇用されている人々については、何らかの保護規制が適用されるが、新規の参入者に対しては通常そうした保護規制がない。

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多くの若者が、労働市場において弱者の立場に陥っている最大の理由は、新規参入者という性格にあると考えられる。景気が悪化すると、労働需要が減少する(企業の求人が減る)が、その際最も影響を受けるのは、これから新規に職を求める若年層である。すでに労働市場に参入している雇用者は制度的に保護されているからだ。雇用保護規制とは、従業員を解雇する際の手続きなどの規定である。景気が悪化した場合に、既存の雇用者の解雇が困難となれば、そのしわ寄せは、当然のことながら新規の若年雇用に現れる。企業にしてみれば、厳しい経済情勢のなかで何の経験も技能もない若年労働者を雇い入れるよりも、少し年をとっていても、経験もあり仕事が確実にできる人間を雇い入れるほうが合理的である。これまでの研究でも、一般的に景気が悪化した場合、若年雇用の需要は平均以上に悪化することが認められている。つまり若者の雇用は景気情勢にきわめて敏感に反応する。OECD諸国においても、八〇年代・九〇年代の景気情勢の悪化が若年雇用に影響していたと見ることができる。この時期、全般的な雇用情勢も悪化しているが、若年雇用はそれ以上に悪化している。