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異常な痩せ願望を満たす

異常な痩せ願望を満たすことができそうな場所は、もうエステティックサロンしか残っていない。3月に入ったとはいえ、深夜はまだかなり冷え込んでいるから、手足がかじかんで、じんじんしてくる。町はすっかり人けもなくなって、黒いスモークが張られた外車が数台走っているだけだった。私はパジャマの上に茶色いオーバーオールを着込んで、緩やかなカーブになった歩道を小走りに歩いていた。家から一番近いコンビニは12時で終わってしまっていたから、初音町の交差点を渡って、その先にあるセブン・イレブンまで行かなければならない。―早く行かなきゃ。センサーの悪い自動ドアの前で足をばたばたさせると、店の前に備えつけられたむき出しの公衆電話で、意味不明な言葉を話しているタイ人女性が、こちらを大きな目でじろりと見た。扉は少しタイミングがずれて開いた。と同時に、もわっとした空気が顔にまとわりつき、それが冷えきった体全体にじんわりと広がっていくのを感じながら、山積みになった籠から一つ抜き取って、私は一番奥の棚に行った。―何でもいいから、とにかく早く食べたい。6枚切りの食パン、チーズブレッド、ツナコーン、シュガートースト、焼きそばパン、ドーナツを籠に入れ、反対の棚から納豆巻きと海苔弁当を取って入れる。次は奥の棚に進み、カロリーメイト、小枝、鈴カステラ、ポテトチップスを入れて、新製品らしいミルクキャラメルを籠に入れた。そしてレジのそばの棚に向かう。シュークリームとバナナクレープを手に取って入れると、籠をレジの横に置いた。「最近は遅いんだねえ、だってもう4時になる」バーコードの音を規則正しくピッピッと鳴らし、口元に笑みを浮かべて店主はこちらをちらりと見た。そんなこと、あんたには関係ないだろう。いいから早くしろ。「この頃、見ないけど旦那はどうしているの」「……」「ああ、旦那じゃないの?あっ、ごめんごめん。でもまさか兄妹じゃないでしょ」「おじさん、急いでいるの」―関係ないって言ってんだろう。これから私が食べようとしている物を、店主がのろのろと袋に詰めているのを見ているだけで、腹の底から気分が悪くなってくる。いつも根ほり葉ほり聞きやがって、さっさと仕事すりゃあいいんだ。「いつもありがとうね」口を尖らせたままわずかに頭を下げると、私はさっさと店を出た。―関係ないだろう、どういう生活したって。来た道を戻りながら、私は袋の中からチーズブレッドを取り出して、むしゃむしゃと食べだした。次はツナコーンを取り出し、そのあとも次々に歩きながら食べていく。一つ目の角を過ぎるまでに、すでにパン類は食べ終わっていた。いつも行っているあのコンビニの店主に、休憩時間はあるのだろうか。いつ行ってもいて、こちらが放っておいてほしいと思っても、ああやって根ほり葉ほり人の素性を聞き出そうとする。たぶんそれ以外に楽しみがないのだろうと思う。
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