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英語を読む層が飛躍的に拡大していく

どこまで読めるようになるか、不安があるのはたしかだが、それにしても、英語を読む層が飛躍的に拡大していく方向にあるのは確かだろう。外国語、とくに英語をめぐる環境が大きく変わっているのであり、翻訳をめぐる環境も大きく変わっている。第一に、外国語を読めない読者のために翻訳しているとは、いえなくなった。読者の大半が原著で読もうとすれば読めると想定しておくべき状況になっている。この点は、翻訳の質に対する要求が高くなったことを意味する。なぜそういえるのかは、正反対の状況を考えてみると、すぐに理解できるはずである。仕事上、どうしても読まなければならない文書があるが、それがアラビア語とかモンゴル語とか、ほとんどだれも読めない言語で書かれているとする。翻訳しようという人が見つかれば、それだけでほっと一安心できる。翻訳されれば、間違いが多かろうが、文脈上、不適切な訳語が使われていようが、少なくとも原文のままよりはいい。内容が少しは理解できるようになる。だから、この場合、翻訳の質に対する要求はかなり低いはずである。